PCB設計を試した記録
DIYしやすいことで有名なギター用エフェクターのFuzz Factoryを自前のPCBを使って自作した。PCB設計してみたかったので。
作るもの
Fuzz Factory。よかった点は部品が少ない分簡単だったこと。有名なFuzzには割と当てはまる。また回路が有名でオンライン上に見つけられること。 悪かった点は、ゲルマニウムトランジスタを使ったものとシリコントランジスタを使ったものがあり、電子回路をわかっていない自分にとって紛らわしかった。
PCB設計に使ったソフト
KiCad。無料のを選ぶならこれが一番人気そう。ソフトそのものを選ぶことより使うバージョンを選ぶ方が大事そう。 バージョンが変わると使える部品(の名前?)や操作が割と違う。慣れた人には問題なさそうだけどその辺のチュートリアルを追う時に混乱した。
方針
ベストプラクティスを覚えるのは時間がかかりそうだったので、とにかくパッとやること。 ソフトウェアならforループ知らないから全部whileでやるくらいの気合い。
KiCadを学ぶために見た資料
- 公式サイト: https://docs.kicad.org/
- YouTube:
- 自作エフェクターをされてる方のブログ:
Fuzz Factoryに関する資料
- http://www.matsumin.net/diy/jisaku1/fuzz_factory/index.html
- https://guitargearfinder.com/guides/fuzz-factory-clone/
- https://www.diyguitarpedals.com.au/shop/index.php?main_page=product_info&cPath=1&products_id=313
キットの説明書にいろいろ役にたつ情報が見つかることが多かった。 例えば最後のリンクには基板のみ完成した段階でのテストの方法が載っている。
ざっくりKiCad操作の流れ
- 巷の回路図をKiCad常に書き写す
- KiCadには現実のパーツの情報を集めたライブラリが含まれているので、回路上の部品を現実の部品に割り当てる。ただものによってはライブラリにカバーされていないので そういう場合は自分でパーツの寸法とかの情報を作らないといけない。今回はそれを避けたかったのでライブラリにある部品のみを使って設計をした(可変抵抗はこの影響を大きく受けた。 ライブラリにあり、かつ実際に買うことのできるものを探すのが大変だった。めんどくさいので次からは可変抵抗は基板に含めないようにするかも)
"#" | "Reference" | "Qty" | "Value" | "Footprint" | "DNP" |
---|---|---|---|---|---|
"1" | "C1 | C3 | C4" | "3" | "10uf" | "Capacitor_THT:CP_Radial_D5.0mm_P2.50mm" | "" |
"2" | "C2" | "1" | "100nf" | "Capacitor_THT:C_Rect_L7.0mm_W2.5mm_P5.00mm" | "" |
"3" | "Comp1 | Drive1 | Gate1" | "3" | "10KB" | "Potentiometer_THT:Potentiometer_Alps_RK097_Single_Horizontal" | "" |
"4" | "J1" | "1" | "IN" | "TestPoint:TestPoint_THTPad_D2.5mm_Drill1.2mm" | "" |
"5" | "J2" | "1" | "OUT" | "TestPoint:TestPoint_THTPad_D2.5mm_Drill1.2mm" | "" |
"6" | "J3" | "1" | "VCC" | "TestPoint:TestPoint_THTPad_D2.5mm_Drill1.2mm" | "" |
"7" | "Q1" | "1" | "2N3904" | "Package_TO_SOT_THT:TO-92_Inline" | "" |
"8" | "Q2 | Q3" | "2" | "2N3906" | "Package_TO_SOT_THT:TO-92_Inline" | "" |
"9" | "R1 | R6" | "2" | "220k" | "Resistor_THT:R_Axial_DIN0207_L6.3mm_D2.5mm_P7.62mm_Horizontal" | "" |
"10" | "R2" | "1" | "10k" | "Resistor_THT:R_Axial_DIN0207_L6.3mm_D2.5mm_P7.62mm_Horizontal" | "" |
"11" | "R3" | "1" | "47k" | "Resistor_THT:R_Axial_DIN0207_L6.3mm_D2.5mm_P7.62mm_Horizontal" | "" |
"12" | "R4" | "1" | "470" | "Resistor_THT:R_Axial_DIN0207_L6.3mm_D2.5mm_P7.62mm_Horizontal" | "" |
"13" | "R5" | "1" | "5.1k" | "Resistor_THT:R_Axial_DIN0207_L6.3mm_D2.5mm_P7.62mm_Horizontal" | "" |
"14" | "Stability1 | Volume1" | "2" | "5KB" | "Potentiometer_THT:Potentiometer_Alps_RK097_Single_Horizontal" | "" |
- PCBを設計する。割り当てた部品の情報を元にKiCadが設計をサポートしてくれる
- 基板の発注に使える形式にデータをエクスポートする
基板発注
無難な会社を選ぶ方針で探した。JLCPCBが人気な模様。
部品の購入
今回はBanzai Musicを使った。2023年時点でFuzz Factoryで使われている形の可変抵抗がイギリスから買えるほぼ唯一の店っだった気がする。 Mouserにもあった気がするけど使わなかった理由は忘れた。
組み立て
ケースやスイッチはサボり。
ハマったところ
- YouTubeに従って基板データのエクスポートをしたもののJLCPCBにフォーマットが違うと怒られてしまった。JLCPCBのサイトに従ってやり直したら通った。
- 組み立ててから音が出なかった。一部の可変抵抗が届いていないためAmazonでブレッドボード用のを買って半田付けしたところ壊してしまってたらしい。この動画がトラブルシューティングに役に立った。